年商1億企業の「社長の年収を上げる」4つの方法

数字算出の確固たる見通しと、裏づけのない事業は必ず失敗する。

渋沢栄一

もうすぐ一万円札の顔になる「日本近代資本主義の父」渋沢栄一さんに限らず、多くの偉大な経営者たちが「社長は数字を読めなきゃダメだよ」という格言を数々残していますね。

ただ、実際社長が知っておかなきゃいけない数字は会計ルールほど細かいものではありません。年商1億を目指す社長が知っておかなければいけない数字は案外多くありませんし、複雑でもないのです。

そこで今回は、年商800万の自営業者から、年商500億を超える上場会社の役員まで、累計35業種の事業経営者の財務顧問を務めるプロが「年商1億規模の社長の年収を上げる方法」というテーマで、社長が知っておくべき数字を解説したいと思います。

実際、年商1億を達成しているにも関わらず、「年収」の方はサラリーマン程度の稼ぎに留まっている社長さんはたくさんいらっしゃいます。その一方、2000万円以上の年収を稼ぎ続けている社長さんもいらっしゃいます。何が違うんでしょうか?

業種業界の違い…という答えが一般的ですが「それじゃあ、年収のいい業種業界にビジネスを変えられるか?」といえば、そうではありませんよね。

そこで今回は「今のあなたの業種のままで、年収を上げる4つの方法」を解説したいと思います。年収の高い社長さんは自分の年収を上げるためにどこに力を入れればいいのか、を知っているんです。

知っておくべき数字も5つに絞って解説していますので、ぜひこの記事を読んで「数字に強い社長」への第一歩を踏み出してみてください。

社長の年収を上げる方法はこの4つ以外ありません

その方法が…

  1. 売上を増やす(客数を増やす or 購入回数を増やす)
  2. 値上げする
  3. 原価を下げる
  4. 固定費を下げる

それぞれを解説する前に知っておくべき数字についても触れておきます。
知っておくべき数字は「売上高」「原価」「粗利」「固定費」「経常利益」です。

言葉の意味は、なんとなくわかっているかと思いますが、図にするともっとわかりやすいです。

売上高から原価を引いたのが粗利
粗利から固定費を引いたのが経常利益です。

固定費が一番わかりにくいかもしれませんが…人件費などの「販売費・一般管理費」や減価償却費、広告費や家賃などが固定費に当たります。

シンプルですね。そして、社長の年収を上げる4つの方法についてもこの5つの数字で全て説明できます。

1.売上を増やす

売上を増やすのは、そのままです。
会社に入ってくるお金の量(売上高)が増えるので、原価や固定費を差し引いた後に手元に残るお金(経常利益)も増える。利益率が高まることで結果として、社長の年収を上げる原資になる、というものです。

具体的な方法としては…
(これだけで膨大な記事になってしまうので、できる限りシンプルにします…)
「客数を増やす」「購入回数を増やす」の2つです。

中でも「購入回数を増やす」という方法が、最も売上を増やすのに手っ取り早く、堅実に効果を期待できる方法です。年商1億…またはそれを目指している事業規模であれば、必ず顧客リストが手元にあるはず…。その顧客リスト向けに新しい提案を毎月1つしていく。何度も価値を届けることで顧客満足度を高め、お客様一人当たりの購入回数を増やす、というものです。

実際に私が今お手伝いしているところでは、こういった顧客フォローを実践することで実践したその月から月商が1.6倍以上に上がりました。そして、その1.6倍が半年以上ず〜っと継続しています。社長さんもホクホク顔です(^^)

そして、同じ顧客リストに何度も売り込みをかけていると、どうしてもお客様と会社との信頼関係が落ちてきて、抜け落ちてしまうお客様たちがでてきてしまいます。
そこで必要なのが「客数を増やす」という施策。

年商数千万規模の事業を経営していれば「客数を増やす」(新規集客の)方法も様々にご存知のことと思います。

新規客向けのキャンペーンを実施したり、紹介キャンペーンを実施したり…。広告で露出を増やしたり…。そして、新たに来ていただいた新規顧客に2回目・3回目の購入を促すご提案をして、常連さんになってもらい「購入回数を増やして」売上を自然に伸ばしていく、という流れです。

通販ビジネスを行なっている会社なら、自然とこのプロセスを回しているところが多いのですが、店舗ビジネスになるとこの辺を意識するだけで売上がドカンと上がることがあるので、ぜひ通販事業に限らず、この2つの施策の連携を意識してみてください。

では次…

2.値上げする

実は、2.と3. はどちらも「粗利」を高める方法です。
「売上高」から「原価」を引いたのが「粗利」。この粗利から私たち経営者の報酬や従業員の給料が支払われます。なので、粗利をいかに高めるかが私たち社長の年収を増やすのに、最も重要な課題になってきます。

「原価」はざっくり解説すると、お客様に販売する商品の「仕入れ値」とか「材料費」、「外注加工費」をまとめた数字です。わかりますよね。

例えば、5,000円の商品を販売するのに、仕入れが必要だったり、材料費が必要だとしてその合計額が2,000円だったら、「粗利」は3000円ということになります。

2.の「値上げする」というは、「原価2000円はそのままに販売価格を5,500円まで引き上げる」という方法。

粗利は3,000円から3,500円に上がります。たった500円?と思うかもしれませんが、その商品が年間2万セット売れる商品なら、粗利で1000万円も増える計算です。

正直、年収を高めようと思ったらこの「値上げ」が一番手っ取り早い方法です。
ただ「値上げする理由」をお客様にきちんと認識してもらうことが大切です。
「商品のリニューアルやアップグレードをするから、お値段も少し上げさせていただきますね」という情報発信をしっかりすることで、顧客離れも最小限に抑えられます。

中でも、整体院や美容室など、お客様と事業者さんが直接触れ合うサービス業は、事業者さんの自信…「この価格をもらうだけの価値があるサービスをしている!」という確信がないと値上げできない、という力学があったりします。このため、値上げするのであればこの辺を押さえてリスクなくやりたいところですね。

値上げ論は、また別の機会にお話しします。

3.原価を下げる

3.の「原価を下げる」とは、例えば「販売価格5,000円はそのままに原価を1,500円まで引き下げる」という方法。この方法でも粗利は3,500円上がり、顧客からの抵抗も少なく、企業努力によって手元に残る利益を増やすことができます。

このように書くと、この方法がよく見えてしまうかもしれませんが、こちらの難易度は結構高いです。

  • 仕入れ業者や外注業者に値下げ交渉をする
  • 外注していた製造工程を内製化する
  • 商品数を絞って仕入れる品数を絞る
    といった、手間と時間がかかるケースが少なくありません。

よほど販売力があり「ロットを多くする(つまり相手の売上高を上げる)から、仕入れ値を安くして」と言えないと、関係者との信頼関係も壊しかねないので要注意です。

ここは社長さん自身の人間力とか、交渉力、普段からの関係構築をいかにしているかによって実践できるかどうかが決まってくる領域ですね。短期的な視点だけでなく、長期的な視点も考え合わせて、実践するかどうかを判断してもらえればと思います。

4.固定費を下げる

最後…
4.の「固定費を下げる」は、実は最も難易度が高い方法です。

人件費を落としたり、設備投資を控えたり、自社生産から販売だけに事業形態を切り替えるといった方法が考えられます。

「店舗の家賃が割高で、売上高をMAXに見積もっても、利益が出づらい」といった状況なら真っ先に検討すべき事項ではありますが、そういったケースを除いて、手間と時間、精神的エネルギーを最も持っていかれる方法です。

  • 人件費を削るのは多大な労力と覚悟が必要ですよね。
  • 設備投資をしないのは「将来の売上減少」や「将来の負債」を前借りしているようなものだったりします…。
  • 業態変更は会社の従業員を混乱させますし、そこのマネジメントに多大な労力がかかってきますからね

年商1億規模のまだまだ資本的な体力が少ない会社にとっては、正直この方法はとりづらいんじゃないかな…と個人的には思うところです。

いかがでしたか?
「売上を増やす」「値上げする」「原価を下げる」「固定費を下げる」
会計ルールや財務の面からすると、社長の年収を増やす方法はコチラの4つしかありません。

例えば、マーケティング会社はこのうちの前の2つの方法に特化していますし、経営コンサルティング会社は後の2つに特化していたりします。このように目的を明確に把握しておくだけでも、外注業者の活用の仕方や経営管理の方法がガラリと変わってくるので、ぜひ意識してみてください。

社長の給料は、会社がピンチに陥ったときの緊急資金源にもなる性質のものです。なので、社長の年収を上げておくことは会社経営においても重要な仕事の1つだと個人的には思っています。

ぜひあなたも実践しやすいものから実践して「豊かな生活を手に入れる」とともに、「会社の危機への備え」として、「社長の年収アップ」に取り組んでみてください。