ブランディングに成功した小さな会社…どうなるのか?(中小企業のブランディング成功事例)

「あなたの会社・商品をブランド化したいですか?」

と聞かれたら…大抵の社長さんの答えが「YES」じゃないでしょうか?

でも、実際ブランディングしたらどういう未来が待っているのか?具体的にイメージしている人って、それほど多くありませんよね。

そこで今回は、小さな会社がブランディングをしたら、どんな未来が待っているのか?実際に私がお手伝いしている事業者さんの事例を元にリポートしていきたいと思います。

とても長くお付き合いさせてもらっている方で「私のおかげでブランド化できた…」なんて、とてもおこがましくて言えないくらいに、しっかり一手一手を打たれている方です。

大規模な事業を想像されるかもしれませんが…その実態は沖縄で美容室を3店舗経営されている方の話です。

そもそもブランディングってなに?

実際にブランディングした後の話をする前に…

まず、ここが気になりませんか?
ウィキペディアによると…「ブランディングとは」

ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。

と、あります。わかったような、わからないような…。いや、よくわからないですよね。しかし、ブランディングの定義は意外とシンプルです。

「◯◯といえば(あなたの会社名 or あなたの商品名)」

この認識をあなたのお客様の頭の中に持ってもらうことができれば、ブランディングに成功している、と考えて間違いないでしょう。実際…

  1. 親子で行くファストフード店といえば…? → マクドナルド
  2. 女性や子供が100%喜ぶアミューズメントパークといえば…? → ディズニーランド
  3. 30代以上の年齢肌に効く基礎化粧品といえば…? → ドモホルンリンクル
  4. UI(ユーザーインターフェイス)に優れたハイセンスなPCといえば…? → アップルのMac

などなど、ブランディングに成功している会社の多くが「◯◯といえば(自社名)」という認識を多くのユーザーに持ってもらっているのがわかります。

では、小さな会社がブランディングに成功することは可能か…?

結論からいえば全然可能。
「◯◯といえば(自社名)」と、お客様に認識してもらえばいいので小さな会社でも、たとえ個人事業主にでも可能、というのが私の考えです。

とはいえ、カンタンじゃないんですけどね
(私自身、まだまだ全然できてない…)

私も実践している、具体的なやり方はまた別の機会に扱うとして、今回はそういった小さな会社がブランディングに成功するとどんな未来が待っているのか?

これをリポートしていきたいと思います。具体的にイメージができているほど、モチベーションも高くなりますし、そのために必要なことを事前に準備できますからね。

小さな会社がブランディングに成功すると変わること

沖縄で3店舗の美容室を経営されている方ですが…
その美容室は、ブランディングの定義からいうと「この辺で一番私のセンスに合う美容室といえば…ソコ」という認識を多くのお客様に持ってもらっています。

10年近くお付き合いがある方ですが、本格的にブランディングに力を入れ始めてからは5・6年ほどといったところでしょうか。徐々にブランド化に成功し、実際にその美容室グループに起きた変化をリポートしていきます。

価格がヨソより1.6倍高くても集客できる・買ってもらえる

その地域のカットの平均単価は2,500円〜3,000円。
そこで4,000円の価格(実に1.6倍)でサービスを提供していますが、問題なく集客できています。自分が手伝っている期間だけでも2回ほど値上げしています。1回の値上げで14〜16%ずつ値上げしていて、失客はほとんどなかったそうです(そのへん「落ち込むから…」と、厳密に計測していないようですが…(^^;))

集客が安定して、収益も安定。だから安心感が違う。

「価格が高くても集客できる」というのは思いの外「自信」になるもの。収益性の方も2倍近くなったようで「最近は以前のような不安がなくなりましたね」と話していました。

生活が安定しているので、新しい挑戦をしようと思ったらすぐにできる状態、とも言い換えられますよね。もちろんその挑戦がうまくいかない時もありますが「この前こんな失敗もしちゃいましたが、着実にいろんなことが学べてる」とのこと。

「少しずつだけど、いろいろなことが上手くできるようになっている実感はありますね」と、物腰柔らかに話す様子は、それだけでも「あっココは信頼できるな」と思わせる説得力がありました。多くのファンが集まるのも納得です。

収益が安定してるから人を雇える(人が集まる)

売上・収益が安定していないと「人を雇う」なんて決してできませんよね。ですが、ブランディングに成功していると収益の安定の仕方がハンパないので、人を雇うのが怖くなくなります。

「人が集まる」という面でも、周りの美容室がビビるレベルで集まります。

この求人難の時代。沖縄は特に県外に出る人が多いので美容業界は求人難でヒーヒー言ってます。そんな中、ほとんど広告予算をかけずに昨年は7人の新卒人材が求人に応募してくれていました。

ブランディングに成功していると、そのブランドの世界観に共感してくれる新しい人材が集まりやすいのかもしれません。もちろん、人の問題なので「合う・合わない」は実際の仕事をする中で出てくるようですが…。

良いお客様が集まる

値段が周りより高くても、そこに集まってくるお客様は、そのお店の「雰囲気・世界観」を気に入ってくれているお客様ばかりです。

結果、「以前は、クレームを言うお客様でも我慢して付き合ってたけど、今はそういうお客様との関係を切って、おかげで毎日心地よく仕事ができてるのは大きいね。スタッフがいたずらに疲弊することもないし、この辺が一番助かってるかな…」と話していました。

実際、ヨソの美容室が夜9時とか11時までやってる中…その美容室は平日は18時に閉店します。「夜もやってもらえないの?」と、お客様からの要望もあるそうですが、それでもお客様側がお店側のやり方に合わせてくれる状態だそうです。

うらやましい限りですね。

ブランディングに成功している小さな会社の意外な共通点

他にも色々小さな変化はたくさんありますが、一旦はここまで。

私がお手伝いしている事業者さん、社長さんの中には見事ブランディングに成功している人が数人います。ここからは彼ら「ブランディングに成功した小さな会社」に共通している意外なポイント」をリポートします。

共通点1)地味にコッソリ成功している(決して派手な成功を目指してない)

これが実は今回の記事で最も伝えたいことだったりするのですが…
最初から「ウチの商品をブランド化して、ドカンと成功しようと思ってるんだ!」なんて意気揚々と言ってる社長さんで、ブランディングに成功している人を見たことがありません。

ブランド化に成功している社長さんは、自社の商圏内では「そこそこ知られている存在」ですが、そこを出るとごくごく普通の一般人。でもコレが良いんです。

ヘタにライバルが出てくるのを避けることができますし、長くブランディングによるメリットを享受することができます。

共通点2)情報発信を大切にしている(お客様との接触頻度を多くする)

ブランディングに成功している社長さんは、日々の情報発信がブランディング成功につながることをとても意識しています。

これは中小企業・大企業関係なく大切なこと…

例えば…
ディズニーは毎年数本のアニメ映画を発表していますし、アニメも山ほど配信していますよね。
アップルも毎年新商品を発表して、話題をさらっています。
マクドナルドも毎月キャンペーンや新商品をリリースしているのがわかります。

このようにブランディングは、日々の情報発信によってお客様との接触ポイントを増やすことによって成功度が増していくもの。なにしろお客様の頭の中の「◯◯といえば…(自社)」という認識を保持することこそ、ブランディングだから。

私がお手伝いしているオーナーさんも、ご自身だけでなく、スタッフさんにも情報発信の大切さを口を酸っぱくして言い聞かせています。

しかし…コレがまた大変(^^;)
「情報発信も自分の仕事」なんて思ってくれないスタッフがほとんどなので、褒めたり、機嫌をとったり、一緒にやっていこうと激励したり…、ここが一番苦労している様子です。

共通点3)一貫性を大切にしている(各所に「こだわり・情熱」が詰まっているのがわかる)

webサイトの構成から、店内の接客のシーン、内装等まで全てからオーナーさん自身の「こだわり」がうかがえるのが、ブランディングに成功しているその美容室グループの特徴です。

もちろん、小さな事業者にできることは限られているので、全てを完璧にしているわけではありません。しかし、ブランドの中核になっている「センスの良さ・雰囲気の良さ・世界観」という要素に関しては、時間を惜しまず取り組んでいます。

そこに共感したり、信頼が集まるので、結果的に値段が高くても、営業時間が短くても、良いお客様がたくさん集まるんですね。

共通点4)最初は小さく成功している(小さな地域・カテゴリーで「ヨソよりココがいい」と思ってもらいやすい)

一番に似ていますが、私が知っている「ブランディングに成功している会社・社長さん」は、全て「小さなマーケット」でブランディングに成功しています。

というか、小さな会社がブランディングに成功しようと思ったら、大きなマーケットでは無理。「マーケットを小さくとる」ことで、より素早く、より確実に売上を確保しながら、ブランディングに成功しています。

でも、これが私を含め多くの事業者さんにとって、難しいんですよね。
「マーケットを狭める」という決断は、頭では理解できても、実践するまでには思った以上に大きなハードルがあります。

「もったいない…他の人にも売れる商品なのに…」と。

ここもブランディングに成功している人と、なかなかブランド化できない人との大きな違いの一つではないかと思います。

まとめ:小さな会社がブランディングに成功すると…

小さな会社でも長期的な展望を描きやすくなる
ただ、決して派手じゃないし、むしろ地味…

これが私が見てきた「ブランディングに成功している小さな会社の実態」です。

✔︎ 値上げしてもお客様がついてきてくれる
✔︎ 収益が安定して、安心感が断然違う
✔︎ 人を雇えるし、人が集まりやすい
✔︎ 良いお客様が集まり、社長もスタッフも仕事しやすい

ある種、理想的な働き方と言えますよね。
私も実際、このような状態を目指して、精進している最中です。

ブランディングの成功にはどうしても、中長期の時間が必要です。
なにしろ「お客様の認識」を書き換えるものですから。

具体的なノウハウについては、また別の記事で取り上げていきたいと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

P.S.
小さな会社の限られたリソースで、ブランディングのための時間を確保するためには「自分しかできない仕事以外は手放す」ことが肝心です。今の時期なら確定申告がソレですね。確定申告にかかる時間とお金を最小限に抑えたい人は… → コチラ