事業を畳むことになりました

“チャレンジを恐れず、リスクをとりなさい…”

中村 修二 (青色発光ダイオード開発者・ノーベル物理学者)

大成功した起業家もこんなことを言っていたりしますが、その結果「事業を畳むことになった」話はただの失敗談。誰の関心も集めませんよね。

ある社長さんに「事業を畳むことになりました」と言われたのは先月のことでした。ただ、その社長さんの話は「失敗談」ではなく「とても素晴らしい成功の秘訣」を気づかせてくれるものだったので、シェアしたいと思います。

“いたずらにリスクをとらず、賢くリスクを管理した”話

詳しいことはお話できませんが…
その社長さんは、2つの事業を経営していて、1つ目は順調。
2つ目はかなりチャレンジングな事業にとりかかっていました。

元の事業はうまくいっているものの、この先5年10年を考えたら「新しいことをしなくちゃ」ということで新事業に取り掛かったそうです。

新事業がようやく軌道に乗り始めた矢先、事件が起きます。
1つ目の事業で大口の取引先が倒産…。
キャッシュフローが途端に悪くなってしまいます。

多くの人ならここで「新事業を加速させて補填」を考えるところです。
しかし、その社長さんは「新事業を畳む」ことを決断しました。
「4人の家族と5人の従業員の生活を支えられるほどには新事業の体制が整っていない」と判断し、地固めのために元の事業に集中することにしたんだそうです。

ある1つの分野でチャレンジしたいなら…
その1つの分野以外のあらゆる分野で確実な行動をとって、感情の安定と社会的な安定を得なければ、そのチャレンジは決して成功しない

ORIGINALS(誰もが「人と違うこと」ができる時代)

これは最近、私が読んで感銘を覚えた「ORIGINALS(誰もが「人と違うこと」ができる時代)」という本の中の一節です。

元の事業を畳むことを決断した社長さんは、
これの実際の事例を示してくれたわけです。

もし「軌道に乗り始めているから…」という理由で、
・新事業に金と人員をつぎ込んだり…
・判断自体を先延ばしにしていたら…

近々、元の事業も新事業も、どちらも畳むことになったかもしれません。
結果、家族に負担をかけ、
従業員を路頭に迷わすことになったかもしれません。

というのも、新事業がうまくいっていたのは元事業という「安全・確実な収入基盤」があったから。チャレンジができたのは元事業があったからでした。

“チャレンジにはリスクがつきもの”
“社長ならリスクを恐れるな”

そう巷ではよく言われますが、この社長さんの判断は「いたずらにリスクを抱えず、きちんとリスクを管理した事例」として本当に賢明な判断だったと思います。

大成功している起業家も実は…
「リスクを嫌う」人が多い

書籍「ORIGINALs」で紹介されていますが、大成功している起業家も実はこのことを実践していることがわかります。革新を起こす前に、そのリスクを吸収できるだけの安心・確実な状況を作っていることがわかっています。

(1)イーベイ社の創業者は、会社創業後9ヶ月間、プログラマーとしての仕事を続け、イーベイでの収入がプログラマーの収入を超えて初めて、仕事を辞めました。

(2)フォード社の創業者ヘンリー・フォードは、トーマス・エジソンの元でエンジニアとして働き、車体製造の特許取得後も1年間、彼の元で働き続けました。

(3)マイクロソフト社の創業者ビル・ゲイツは、ハーバード大学中退で知られています。しかし、ソフトウェア開発後まるまる1年間、学業を続け、しかも最初は退学ではなく休学してから、ソフトウェア販売に取り組んだそうです。

チャレンジにリスクはつきもの…

ただ、本当に社会に変化や革新をもたらすチャレンジは、そのチャレンジに伴うリスクを引き受けられるほどの基盤(安心・確実に期待できる収入基盤)があるからこそ取りかかることができる、というのも真実だと思います。

学生起業や、独り身での起業なら、こういったことも考えずにガムシャラにやればいいでしょう。しかし、従業員や家族がいるならそれはなんともマズい…。

社長にとって「チャレンジ」は必要不可欠です。

さらに、
事業経営者がチャレンジするからこそ、
社会に新しい変化や革新を
もたらすことができるのも間違いありません。

それならなおさら、
社会の新しい変化・革新のためにも、
まずはあなたの「安心・確実な収益基盤」が
不可欠だということでしょう。

“チャレンジにはリスクがつきもの”
“社長ならリスクを恐れるな”

これに1つ付け加えて…

“それを引き受けられるだけの基盤を持て”

という、事業経営者として
新しい行動基準を得ることができた体験でした。

P.P.S.
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