全員が頑張っているのに業績が伸びない会社の共通点

画像引用 – 集英社『キングダム』より

ご覧のように私の大好きな漫画『キングダム』から画像を引用させてもらいました。
面白いですよねー『キングダム』。
ヤングジャンプが毎週楽しみで、単行本も全て持っています(笑)

この漫画のワンシーンが、今回の問題解決の要素をわかりやすく示してくれるので、画像を引用させてもらいました。

今回は、あるメーカーさんから
相談を頂いた時のお話をシェアしたいと思います。

創業50年以上で歴史も長く、
地元でよく名前を知られたメーカーさんのお話です。

その業界は全体的に需要が落ち込んでいて…
そんな中でも社員さんの努力によって、なんとか業績を持ちこたえさせている会社でした。外から見たら、それで十分立派。なのですが…

話をよくよく聞くと…
社内の人全員が毎日懸命に頑張っているのに、ほとんど業績が伸びない
…という事態に、社長は頭を抱えていました。

「業界のせいにするのはカンタン」
「でも、この中でも業績を伸ばしている会社はあるし…」
「ちょっと話を聞いてもらえない…?」

ということで、私にお声がかかったわけです。話を聞くと…

  • 営業の方々は経験豊富。毎日全員が懸命に頑張っている。
  • ネットでの集客もそれなりの成果を出してる。
  • 地元で知名度もある…
  • でも、安売り競争に巻き込まれて、そこは苦しい…。

こうして話を聞くうちに
見えてきたのが…
すごくシンプルなものでした。

『売上目標しかない』

毎月「いくら売上が必要か?」という数字を社内全員で共有して、毎週ミーティングで達成率を確認し合うのですが、ここまではOK。というか、むしろ素晴らしい。営業の方々全員が、毎月の自分の売上目標を言えて、進捗を常に把握していました。

ただ、売上が足りない時に「どこに目を向けて」「何に重点を置けば売上を補填できるか?」がわからず、平たく言えば「以前は、こうしたら上手くいった」というカンと経験からしか取捨選択できていない状態でした。

コレ…実はすごくよくあります。ちょっと小難しいことを言うと
『戦術』面では成功しているけど、
『戦略』面で現状が見えていない
という感じです。

漫画『キングダム』に学ぶ
「戦術」と「戦略」の違い

わかりにくいですよね…
そこで冒頭の漫画『キングダム』から引用してみます。

集英社『キングダム』より引用

いや〜いいですね♪
つい続きが読みたくなります(笑)

さて…話を戻しますが、
この「囲地」という戦いの舞台を設定するノウハウ『戦略』
目の前の敵をいかに倒すか?というノウハウ『戦術』です。

断崖の下にいる側の場合(戦略的に負けてる場合)…どんな剣の達人でも、矢を浴びるほど打ち込まれるので、苦戦を強いられるのは当然です。

逆に、断崖の上にいれば(戦略的に勝っている場合)…普通の兵士でも、楽に達人を相手にすることができます。どんなに巧みな戦術を使われても有利に戦えます。

〜〜〜

このメーカーさんでも同じことが起こっていました。
個々の営業の方々が持っている「戦術面=どう売るか?」のノウハウは、経験も豊富で素晴らしいものがありました。が…

「売上が足りない時に”何”をすべきか?」について、
「売上を上げるための舞台設定…誰にアプローチすれば売上が立つか?」判断するための戦略を持ち合わせていなかったのです。

優秀な人間が、全員頑張っているのに成果が出ないときは
「どうやるか?」より「何をやるか?」の方に目を向けなきゃダメ

これは、創業10年弱で年商60億を超える事業をつくった
ある出版社の社長さんが話していたことです。

本当にそのとおりで
「何をやるべきか?」を正しく判断できないと、
本当に悲惨な未来が待っています。

  • 症状1:成果が出ない原因が「個人の頑張り」が足りない…と判断されてしまう
  • 症状2:どんなに頑張っても成果が出ないので、社員は自信とやる気をなくす
  • 症状3:社長も社員も疲弊し、良い人材から外に出て行く
  • 症状4:何をやっても成果が出ないので、次第に「業界のせい」が共通認識になる

ね?やばいですよね…(-_-;)

そして、これらの症状を生み出している全ての原因が
『売上目標しかない』=「何をすべきか?」判断する戦略面のノウハウがないに行き着くわけです。

長くなるので具体的にはお話しませんが
結局そのメーカーさんには4つの目標となる数字を提案しました。

その数字を計測してさえいれば
「何をやるべきか?」を間違えることがなくなる
戦略的な視点が見えやすくなる数字です。

その結果…まだ途中ではありますが、
徐々に変化が生まれているようです。

  • 変化1:成果が出ないとき「頑張りが足りない」と判断されなくなった
  • 変化2:成果が出ないときに「何をやるべきか?」が明確に判断できるようになった
  • 変化3:やるべき仕事が減り、成果が出やすくなった(今までガムシャラに行動量を増やすしかなかったので…)
  • 変化4:次第に成果が出るので、全員が自信とやる気を取り戻し始めた

いい変化ですよね♪
きっとこれから、どんどん大きな成果を出せるようになると思います。

このように「何をやるべきか?」という戦いの舞台設定(戦略面の決定)に関しては、完全に社長さんが決断すべき問題です。
ここに社員さんが気づいたとしても、社長さんがGoサインを出さなければカンタンにポシャってしまいますから…。

会社全体をいたずらに疲弊させないためにも
「どうやるか?」よりも「何をやるべきか?」
この視点は大切にしたいものですよね。

多くの社長が実務面からの叩き上げなので「戦術面=どうやるべきか?」については、非常に経験豊富で、社員の誰よりも優秀なのが普通です。

ただ従業員が増えたり、外注が増えると「どうやるか?」よりも「何をやるべきか?」の方が、やはり成果により大きな影響を与えるようです。

「社長にとって99%の問題は、解決しなくていい問題」

これはたぶん(おぼろげですが…)、ヤフーCSO(最高戦略責任者)である安宅和人さんという方が言っていた言葉だったと思いますが…

この「99%の問題」がなくなる方法が、「どうやるか?」よりも「何をするべきか?」に目を向けることだと、その著書で論じていたと思います(著書名『イシューからはじめよ』)。まさに今回のメーカーさんに起きた変化がそれを物語っています。

あなたも、ときには「どうやるべきか?」と一緒に「何をやるべきか?」に目を向けてみるのが良いかもしれません。

頭のスミに置いておくと
いざという時に役に立つ視点ではないでしょうか?
何かのお役に立てたら嬉しいです。

P.S.
ちなみに、私たちは今回のように「何をやるべきか?」を一緒に見つけるお手伝いもしています。詳しくは…→ コチラ